すぐれた「言い聞かせ」
すぐれた「言い聞かせ」は、次の五条件を満たす話である。
1.面白い例話の形をとっている。
2.具体的なわかりやすい話である。
3.説教くさくない話である。
4.深く心に刻まれる話である。
5.冗漫でない短い話である。
注意する場合、ときに、上の条件を満たす話に作りかえれば、
子どもの胸に届き、印象深く記されるがゆえに
聞き入れ、納得し、その注意を守ろうとする意欲を引き出すことになろう。
子どもが「なるほど」と聞き入れなければ指導は成立しないのである。
この子がいてくれたおかげで
「この子さえいてくれなければ…」と考えたこともある子どもを、
「この子がいてくれたおかげで…」と位置づけたときから教育は始まる。
東井義雄
「いのちの実感」